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「去るもの、引き継ぐもの」有馬記念回顧 コラムニスト:Genu

 天皇賞、ジャパンカップと連勝してきたスペシャルウィーク。
 それを宝塚記念では力で完全にねじ伏せたグラスワンダー。
 この2頭の、最後の直接対決。
 最後の最後まで魅せてくれた2頭には改めて感謝したい。

 パドックを一瞥して感じたのが、スペシャルウィークの凄まじい仕上げ方。
 こちらの思惑としては、絶対に反動が出ると思っていたのだが…
 毛艶といい、馬体の張りといい。その激戦を制した前走以上の体調に見て取れた。
 いくら中3週とは言え、常識的に冬場で馬体重は絞りにくいもの。
 それが-4kg。実際、究極の仕上げだったのだろう。

 逆にグラスワンダーは+12kgが示すとおり、多少余裕のある作りに見えた。
 スペシャルと比較するとちょっと心許ないかな…という印象があったし、
 出来そのものはツルマルツヨシの方が良かった感じもした。
 しかし、それだろうと勝ってきたのがこの馬だし、今回も大丈夫と思えたが…。
 右回りで不敗を誇っていたこの馬が破れるかも、と思った瞬間があったのも事実。

 レースはゴーイングスズカが引っ張る緩い流れ。
 グラスワンダーは出たとこで的場Jが折り合いに専念していたし、スペシャルウィークは
 それをマークする形というのは完全に読み通り。
 となると、楽に進んでいる前を捉えにいかなければならないのはグラスの方。
 3コーナー付近から動いて、早め先頭のツルマルツヨシをねじ伏せに掛かる。
 そして、直線。
 力尽きたツルマルをテイエムオペラオーが交わすも、そこから地力の違いとばかりにもう一度差し返す
 グラスワンダー。
 追い出しをぎりぎりまで遅らせ、馬場の良い外を通って突っ込んでくるスペシャルウィーク。
 完全に勢いは後者だった。鞍上にしても、交わす自信は絶対に有ったのだろう。
 実際に見直してみると、馬体はスペシャルウィークの方が出ている感じ。
 ただ、ゴール板を通過した時にスペシャルの首が引かれていたのに対して、グラスは首を突き出した所。
 運がないといえばそれまでだが、あまりにも逃したものは大きかった。

 グラスワンダーについて、改めて思う。
 あのきつい展開で、あの体調で生涯最高のデキとまで思わせたスペシャルを相手にあそこまで戦えた事。
 本当、とんでもない馬ですよ。
 無事に今年も消化できれば、秋には凱旋門賞挑戦。是非、万全の状態で挑んで欲しい。

 3着のテイエムオペラオーも体調そのものは悪くなかった。
 少なくとも前走よりは数段良かったが、それでも菊当時の状態には戻りきって居なかったかも。
 それでもこの2頭相手に僅差3着。今年も注目の一頭として見ていきたい。

 ツルマルツヨシは先程触れた通り、体調そのものはメンバーでも屈指のもの。
 結果としては地力の差を見せつけられた格好だったが、何しろまだキャリア9戦の馬。
 まだ成長の余地はあるだろうし、それによっては今年大逆襲もあり得るかも。
 ただ、鞍上の吹き話には要注意ですが(^^;;

 7着のナリタトップロードは荒れた最内をずっと通らされたのが痛かった。
 ただ、前走の反動が多少出ていたようにも取れたのが微妙な所。
 こちらは京都記念から始動らしいので、一から出直す今シーズンもまだまだ注目。
 10着のステイゴールドは展開に泣いた格好。
 スローの上がり勝負じゃさすがに届かないが、+8kgとモロに反動も出ていた様子。
 消耗戦ともなれば間違いなく突っ込んで来る馬なので、そういう条件が揃ったときには必ずマークが必要か。