
世の中には、謎のままにしておいた方がいいことが、歴然としてある。
7月31日、1900年代最後の日本ダービーの覇者・アドマイヤベガの引退が発表された。
原因は左前繋靭帯炎。競走馬にとっては、屈腱炎と並ぶ不治の病と言われている。
復帰へ向けて順調に乗り込まれていると伝えられていただけに、再びあの雄姿をレースで
見ることが出来なくなってしまったことが、本当に残念でならない。
同時に、5歳夏でリタイアしてしまったことで、昨年の菊花賞以来、事あるごとに言われてきたこと…
アドマイヤベガが4歳時から更なる成長を遂げていたのかどうかは、永遠の謎となってしまった。
しかし。
今回の引退で、"アドマイヤベガ成長説"を肯定する根拠は、ほとんど皆無となってしまった。
逆に、『レースでの消耗が激しい馬』(橋田師)が、並の馬でさえ著しく消耗してしまう4歳クラシック戦線を
戦い抜いてきたことや、父のサンデーサイレンスに見られる早仕上がりの傾向、さらに牝馬クラシック2冠を
制した母・ベガが、5歳になってからまるで競馬にならなかった事などを考え合わせると、
ますます"アドマイヤベガ早熟説"は有力になってしまうかもしれない。
しかし、しかしである。
アドマイヤベガが5歳になってからただの一度もレースに出ることなく引退してしまった以上、
どちらの説も決定打を失ってしまったことになる。一度も走っていない以上、判断のしようが無いのである。
ダービーや京都新聞杯で見せたカミソリのようなキレ味は、もう二度と見ることは叶わない。
あの稀代のキレを誇った末脚を、傷つけることなく後世へと語り継ぐ為にも、早熟云々は謎のままに
しておくべきことだろう。
世の中には、謎のままにしておいた方がいいことが、歴然としてある。
感想は掲示板へ♪
|